「あれよ、あれよ、といってるうちに就職…、結婚。あの頃に戻れたら…」
中学を出てすぐ、家庭の事情で社会に出て、悩む間もなく仕事に明けくれる毎日でした。普通のひとなら、負わなくてもいいような苦労を、負ってきたなと思うこともあります。でもやっと仕事も部下に任せられるようになり、家では夜中にこどもの泣き声に起こされることもなくなって、本を読んだり、だんだん自分のことを見つめなおす時間を持てるようになりました。
そんなとき、ふと、「もし自分が高校を出ていれば…」と思うことがあります。
もうあの時代には戻れないけど、高卒認定の勉強をしていると、まあ気分だけかもしれませんが、あの頃に戻れるような気がしています。
別に、将来こどもに対して「自分は高卒認定をとっているんだよ」などと見栄をはるつもりはありません。「勉強したい」というこの感覚は、きっと理屈ではなく、あの苦労してきた自分の「季節」に対しての、自分なりの気持ちの整理なのかもしれませんね。
(平成18年度第1回の高卒認定試験合格者の最高齢者は、71歳でした)